マイクロスコープの導入など精密な治療ができる環境を整備し「必要最小限の治療で体に出来るだけダメージを少なくし早い回復を目指す治療」=低侵襲治療に取り組んでいます。
数多くの患者様に対して様々な歯周病治療を行ってきましたが、重度の治療は外科的処置が必要で体への負担が高まることが課題でした。精密な検査、精密な治療が行えることで、これまでの知識・経験を活かした専門的な治療がより体にやさしく痛みも抑えることが可能になりました。
歯周病とは「静かなる病気」とも言われており、痛みがないまま進んでいき、自覚症状が出たときには歯を支える歯槽骨が吸収しており最悪の場合、抜歯に至るケースも珍しくはないです。
歯と歯茎の境目についたプラーク(磨き残し)が停滞し唾液の成分と合わさってバイオフィルムとなります。よく聞く歯石もバイオフィルムと同じですが、見た目では歯石がなくても柔らかいバイオフィルムは存在します。それを放置すると歯茎の下の骨を溶かしていき、歯を支える歯周組織が失われていきます。
一度失われた骨は基本的には元に戻せないため、歯周病の治療のゴールは、これ以上歯周病が進まないように原因であるバイオフィルムを徹底して除去し、患者さん自身で清掃ができる環境を作っていくことです。
歯周病の最大の恐怖は痛みがないまま進行していくことです。虫歯はある程度進んでも被せ物で回復できますが、歯周病が進んで周りの骨が溶けてしまうと元には戻らなくなります。特に40代から歯肉炎歯周炎は増え始めますのでその年代の方々は特に注意が必要です。歯周病の進行度合いによって自覚症状は違います。
自覚症状の種類
①歯ブラシの時に血が出る(歯肉炎)
②歯茎に鈍い違和感や痛みが出てきた(初期歯周炎)
③歯茎が腫れる時がある(中等度歯周炎)
④歯が揺れてきている、自然と歯茎から出血がある(重度歯周炎)
このような症状が見られる方はすぐに検査を受けましょう。
歯周病は早期発見早期治療が最も効果的です。
この患者さんは痛みなどはないですが、40代と早い段階で歯周病が進んでおりました。磨き残しも少なく、特殊なケースで「若年性歯周炎」(今は侵襲性歯周炎)と言われ特殊な細菌が源と言われております。なので細菌検査を行い最近の特定を行い、投薬治療を並行して歯周病の治療を行い現在10数年経過してますが、経過は良好で2ヶ月に一度のメンテナンスで再発防止を行っています。
この患者さんは長年歯周病に悩まれており、ほとんど抜かないといけないと言われ当院を受診されました。全体的に重度歯周病が認められたので、歯周初期治療、保険外の材料を用いた歯周組織再生療法を行いました。1ヶ月に一度メインテナンスに来られており10年近く経過して何回か再治療は行っておりますが、状態を維持できてます。
歯茎の腫れに悩んでいた50代の患者さんで、血圧を下げるお薬が原因である「薬物性歯肉炎」と中等度歯周病を併発していた患者さんです。まず医科の先生にお薬の種類を変更していただき、同時に外科的なものも含めて歯周病の治療を進めました。2ヶ月に一度のクリーニングに来ていただき、安定した経過を保っています。